会の実績
あまり知られていませんが、聴覚障害者コンピュータ協会の活動によって生まれた成果が、聴覚障害者の福祉や文化の向上にかなり活用されています。そういう実績を紹介します。
パソコンによる情報保障 (文字通訳)
今では、大きな大会や行事などで、パソコンを使った文字通訳が普通におこなわれるようになりました。実は、このパソコンを使った文字通訳を最初にやったのが、聴覚障害者コンピュータ協会なのです。
1995年に例会で、手話の読み取りがうまくない会員への情報保障として取り組んだのが始まりです。最初は MS Word を使って文字入力し、画面をスクリーン投影するやり方でした。その後にいろいろと試行錯誤して、現在の形になっていったのです。
![字幕入力しているところ](https://mimicom.gr.jp/wp-content/uploads/2014/03/Jimaku1.jpg)
![TV画面に字幕表示しているところ](https://mimicom.gr.jp/wp-content/uploads/2014/03/Jimaku2.jpg)
この写真は 1998年9月 定期総会の時のものです。
この試行錯誤は今も続いており、例会に参加できない地方の会員のために、IRC を使ってインターネットで例会内容をリアルタイムで配信する事までやっています。
コンピュータ用語の手話の作成
![コンピュータ用語の手話案をみんなで検討中](https://mimicom.gr.jp/wp-content/uploads/2014/03/SignStudy.jpg)
1991年に手話研究部を発足、1996年に「コンピュータ用語の手話」を発行。今も、新しい用語の手話化、本の改訂などをおこなっています。
実は、コンピュータ用語の手話を本にして発行した国は、世界中で二ヶ国しかありません。アメリカと日本です。
アメリカが最初で、1983年「Sign for Computing Terminology」(S.L.Jamison)が発行されました。しかし、日米では手話表現がかなり違い、このままでは日本では使えませんでした。
そこで、手話研究部で日本の聴覚障害者になじみやすい手話表現を研究開発しました。
聴覚障害者対象のパソコン講習会
![パソコン講習会で文字入力のしかたを教える](https://mimicom.gr.jp/wp-content/uploads/2014/03/Kosyukai.jpg)
健常者対象のパソコン講習会はかなり昔からありますが、聴覚障害者でもわかるものはなかなかありませんでした。そこで1994年に教育部が発足、1996年に最初の講習会がおこなわれました。
聴覚障害者対象とする場合、健常者とは違う独自のノウハウが必要とされます。
聴覚障害者コンピュータ協会は、そのノウハウを確立しました。今では、この聴覚障害者コンピュータ協会のやり方がモデルとなって日本各地に普及しつつあります。
チャットシステム IRC の紹介
「通訳 IRC」 をご存知でしょうか?
聴覚障害者のための字幕がつかないテレビ番組に、字幕をつける活動をしているのです。
![例会内容をIRCで配信・表示](https://mimicom.gr.jp/wp-content/uploads/2014/03/Jimaku3.jpg)
その字幕を配信しているのが、インターネットのチャットシステム IRC (Internet Relay Chat) なのです。そして、この IRC を日本で最初に聴覚障害者のために紹介したのが、聴覚障害者コンピュータ協会です。
テレビ放送の字幕配信だけではありません。富士通の場合、社内で聴覚障害者への情報保障のために IRC を使うのは普通のことになっているそうです。部内会議を IRC でこなしているそうです。
聴覚障害者コンピュータ協会でも、例会に参加できない地方の会員のために IRC を使って例会内容を配信しています。
まだ続いている、協会の取り組み
聴覚障害者コンピュータ協会が取り組んでいることは、まだあります。今後とも、協会が成果を生み出しては聴覚障害者の福祉や活動に生かされていくでしょう。