画像の縮小処理について
メールで画像を送ったり、ワープロソフトで画像を文書に埋め込んだりする時、画像サイズが大きすぎる場合は適当なサイズに縮小することがよくある。
まあ、写真が趣味だったり、印刷関係の仕事が多くて DTP 関係のソフトを使っていたりする人なら、愛用のソフトがあるので、それで縮小すればよい。が、そういう機会のない一般の人では、どうすれば良いのか?
結論から言うと、MS Windows に標準装備の MS Paint で十分だ。
調べてみてわかったのだが、この MS Paint の縮小画像処理は、案外に性能が良い。
そのテストサンプルを次に示す。冬山で岩に氷雪が付着している写真だ。こういう氷雪の細かいパターンが、画像縮小処理ではけっこう難しい。ちなみに写真の場所は、北八ヶ岳の天狗岳である。
サイズは 1024×768px。
さて、これを 1/4 サイズ 256×192px に縮小してみよう。
最初に、単純に画素を間引いた、ニアレストネイバー法で縮小したサンプルを示す。
氷雪がざらざらして、きれいに縮小できていないのがわかるだろう。
では、きれいに縮小できるとされているバイキュービック法ならどうだろうか。
意外にも、似たような結果になってしまった。
実は、バイキュービック法にも弱点があり、2の倍数(2、4、6、8…)分の一、ここでは 1/4 に縮小すると、ニアレストネイバー法と同じ結果になってしまうのだ。
だから、現在の画像処理ソフトでは、バイキュービック法をそのまま使うようなことはしない。実際には少しボカシを入れるなど、内部で前処理をしてから縮小処理している。
では、MS Paint ではどうだろうか。
意外にも、きれいに縮小できているのがわかるだろう。
どういうアルゴリズムを使っているのかは不明だが、少なくとも単純なバイキュービック法ではない。エッジを強調するクセがあるが、通常の使用には問題ないと思う。